「フリーランス」「個人事業主」「自営業」「自由業」それぞれの共通点と違いを解説!
銀行口座やクレジットカードの申し込み、住まいの賃貸契約そして確定申告のときに悩む職業欄。
「なんとなくこれかな〜?」と選んで特に問題なく審査されますが実際にはどのような違いがあるのでしょうか?
フリーランスとは?
会社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由に契約する人のことをフリーランスと呼びます。
ミュージシャンでも事務所に(専属で)所属している人はフリーランスには当たりません。
フリーランスは特に法律で定められている呼び方ではないので、事務所に所属していてもそれ以外の仕事がある場合はフリーランスと呼んでもいいと思います。
また、フリーターは呼称が似ているので間違えられやすいですが、フリーランスとは全く異なりフリーアルバイターの略です。
内閣府による平成15年版国民生活白書では、フリーターを「15〜34歳の若年(ただし、学生と主婦を除く)のうち、パート・アルバイト(派遣等を含む)及び働く意志のある無職の人」と定義しています。
個人事業主とは?
法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人のことを個人事業主と言います。
消費税法で自己の計算において独立し、事業を行うものと定められています。
正確には個人事業主ではなく個人事業者といいますが、個人事業主という言い方の方が一般的によく使われています。
副業でも事業を行えば個人事業主になり、開業届の有無も関係ありません。
個人で事業をしていれば特に届出がなくても「個人事業主」になります。
自営業とは?
自営業は文字通り「自分で事業を営むこと」を指します。
フリーランスや個人事業主だけではなく、法人の経営者も自営業に当たります。
自由業とは?
自由業はフリーランスとほぼ同義です。
自営業と混同されますが、自営業の中でも八百屋、農家、医者などは自由業とは呼びません。
ミュージシャン、芸能人、ライター、プログラマーなど時間や場所にとらわれることなく働ける職種のことを自由業と呼びます。
ミュージシャンはみんなフリーランス?
それではミュージシャンはどれに当てはまるのでしょうか?
事務所に所属せずにいろいろな企業からスタジオ仕事やツアー仕事を請け負っているミュージシャンは「フリーランス・自営業・個人事業主」どれでも当てはまるでしょう。
また、法人化している場合は「法人経営」にもなります。
事務所に所属しているミュージシャンはフリーランスではなくなります。ですので「自営業・個人事業主」が当てはまります。
音楽教室で講師をしている場合は専属契約の場合は「自営業・個人事業主」が当てはまります。
専属ではなくいろいろな教室に教えに行っていたり、講師業以外にも演奏の仕事をしているようでしたら「フリーランス」も当てはまるでしょう。
また、特殊な例ですが、島村楽器のインストラクターは「契約社員」です。
音楽教室を経営している場合は「自営業・個人技事業主」(法人化している場合は法人経営)です。音楽教室事業だけの場合は仕事の時間と場所が限られてくるのでフリーランスとは言いにくいでしょう。
また、事業とは継続的な営業活動のことを指します。
ですので、アルバイトをしながら音楽活動をしている場合でも、音楽活動が継続的な場合は「フリーランス・自営業・個人事業主」が当てはまります。
しかしながら、継続的ではない場合はフリーターです。
また、先述の通りフリーターは働く意思が必要ですので、そうではない場合は「無職」になります。
まとめ
自営業という大きな枠の中に個人事業主と法人事業主(法人経営)があり、それをまたぐかたちで事務所や時間・場所にとらわれない働き方であるフリーランス(自由業)があります。
ミュージシャンという職業にはいろいろな働き方があります。
「職業ミュージシャン」じゃなくても音楽をしていればミュージシャンはミュージシャンです。
しかし、ミュージシャンとして稼ごうと思ったら税法上では自動的に個人事業主になり、法人化すれば法人事業主(法人経営)になります。
ミュージシャンと聞くと自由なイメージがありますが、個人事業主ですので社会的には立派な責任があります。
音楽の勉強と同時に個人事業主としての知識もつけていきましょう!