ミュージシャンの払うお金|社会保険編(国民健康保険・国民年金)
こんにちは、モンちゃんです!
当ブログ「音楽と生きていく!」では、楽しく音楽と付き合っていくための仕事の話やなかなか話題にしにくいお金の話をわたしの経験や周りのミュージシャンの話に基づいて発信しています。
二回に分けてミュージシャンが払わなきゃいけないお金について社会保険編・税金編として説明したいと思います。
今日は社会保険編です!
「社会保険ってよく聞くけど、ちゃんと理解できてないな。」
って人も多いと思うのでなるべくわかりやすく書いていきます!
学校でも支払い方法についてちゃんと教えてるわけじゃないから、知らなくて当然!
むしろ、ちゃんと教えてくれ!って感じ。笑
私の周りにも「払ってないよー」という人もいるのですが。。。汗
知れば知るほど払った方がいい(というか、私たちには支払いの義務があるので支払わなきゃだめですよ!)と感じているので、勉強しましょう!
社会保険とは?
社会保険を分けるとこのようになります。
医療保険
国民健康保険→フリーランスが加入
健康保険→会社員・公務員が加入
年金保険
国民年金保険→フリーランス・会社員・公務員が加入(日本在住20歳以上60歳未満の全国民なので、学生も!)
厚生年金保険→会社員・公務員が加入(労働条件によってはパートやアルバイトも!)
労働保険
労災保険→加入にいろいろ条件はありますがフリーランスは加入できないので説明は割愛
雇用保険→ 加入にいろいろ条件はありますがフリーランスは加入できないので説明は割愛
介護保険
40歳以上の方が加入します。(フリーランスも。)
支払い保険料は所得と住んでいる地域によって変わってきます。
(参考までに渋谷区では年額26,900円〜429,100円。また、全国平均の支払額は月額5000円程度。)
サービスについては説明が長くなってしまうのと、このブログに行き着いた人にとってサービスを受けるにはまだ時間があると思うので割愛します。
フリーランスが加入する社会保険
- 国民健康保険(医療保険)
- 国民年金保険(年金保険)
上の2つがフリーランスが加入しなければいけない社会保険です。
(40歳以降は介護保険もですが今回は割愛します。)
「えー!ただでさえ収入少ないのにお金なんて払いたくないよー!」
「年金って昔と比べてもらえなくなってるって聞くんだけど、本当に払うべきなの?」
といった声が今にも聞こえてきそうです。(昔の私もそうです。笑)
払うべきメリットというものはもちろんあるのですが、ここで説明すると長くなるので別記事にしたいと思いますが、ここで断言します。
社会保険加入は義務
社会保険加入は義務です。
でもそれ以上に社会保険で受けられるサービスをしっかり理解すれば、支払いをした以上のサービスが受けられることを理解できるでしょう。
支払いが困難な場合は国民年金は減免される場合もありますので、早めに相談しましょう。
国民健康保険は収入によって支払額が変わりますので、そんなに負担になるような額になることはありません。
恥ずかしい話ですが、私は年金の支払いができず、社会保険についても理解できていなかったので督促状が届いたことがあります。汗
なので、最初のホールツアーギャラはほとんど国民年金の支払いになってしまいました。数十万円…泣
こんな悪い先輩のようにならないように気をつけよう!笑(もう未払いはありません笑)
国民健康保険
支払い保険料は収入や居住地によって変わってきます。
確定申告で赤字申告しているうちは一年で2〜3万円程度です。(参考までに東京都世田谷区の場合最高限度額は99万円です!ここまでなれたらすごい!笑)
フリーランスの場合は確定申告後に計算されて納付書が送られてきて、6月から翌年の3月まで10期に分けて納付します。一年分まとめて支払ったり、2回に分けて支払うことも可能です。
受けられるサービスはいろいろありますが、その中でも特に影響が大きいと思われるものを3つ紹介します!
療養費の給付
みなさんは病院に行くときに窓口に提出している健康保険証を提出していますよね?
それを提出することで実際の支払いは3割のみになります。
身近なことなのでイメージしやすいね!
高額療養費支給制度
一ヶ月の医療費(自己負担分)が一定の額を超えた場合、超えた分のお金が健康保険から戻ってくる制度です。
収入にもよりますが、一般的な収入でしたら自己負担の限度額は3.5万円〜9万円程度になります。
知り合いのミュージシャン夫婦は出産時に帝王切開になったとき適応されたといっていたよ!
注意するべき点もありますが、これを知っていると知らないとでは安心感に大きな違いがありますね!
出産育児一時金
出産育児一時金は一児につき40〜42万円が支給されます。
※妊娠出産については病気ではないため国民健康保険の療養費の給付には当てはまらず全額自己負担となります。しかし、妊婦健康診察助成制度により検診の一部費用が助成されます。また妊娠すると4ヶ月分国民年金支払いが免除されます。
国民健康保険からは話が少し逸れるけど、※の部分も知っていると安心だね
国民健康保険まとめ
収入によって保険料は大きく変わってきますし、フリーランスミュージシャンを目指す人は最初から高収入ということはないと思うので支払えると思います。
また、病気や怪我は予定できるものではないので、払っておきましょう。
ちなみに、前年の所得によって金額が決まりますので、脱サラでフリーになる人は注意が必要です。
貯金に余裕を持って脱サラしましょう!
また、ミュージシャンが入れる健康保険組合に、東京芸能人国民健康保険組合というものもあります。
収入によっては保険料がお得になる場合もありますので、ある程度ミュージシャンとしての実績と収入がある人は検討してみてもいいでしょう!
※加入には審査があります。
国民年金保険
国民年金保険料は収入に関わらず、全員一律の価格になります。
年々金額は上がっていっていて、今は月16,610円です。(2021年現在)
まとめて払ったり、口座振替にすることで多少の割引は受けられますが、なかなかの金額ですよね。
老齢基礎年金
みなさんが年金と聞いてます思い浮かべるのが老齢年金でしょう。
基本的に65歳から受け取ることができます。
60歳に受け取り年齢を繰り上げすることもできますが、総受取額が減少します。
また、70歳まで受け取り年齢を繰り下げることができ、その場合は受け取り総額が上がりますが、ミュージシャンの場合どうでしょう?
70歳まで現役で活動できる人は周りを見る限り、超一流の一握りのように感じます。
基本的に20歳から60歳まで満額支払った場合支払い総額は約790万円、65歳から受け取れる額は年額780,900円です。
月額約65,000円ですね!
約10年間で元は取れますし、平均寿命(男性81歳、女性87歳)まで生きたら、支払額の約1.6倍、女性は2.2倍受給することができます!
少子高齢化などの影響で今後保険料は値上がりし、支払額は減少する可能性はもちろんありますが、その時には世の中の仕組みが大きく変わる必要があると思います。
そうなったとしても、貯金や民間の年金保険に入るよりかなりお得となっていますので、フリーランスミュージシャンの将来を考えるのであれば絶対に入っておきましょう!(何より加入は義務であることをお忘れなく!)
障害基礎年金
被保険者が障害認定された場合に受け取ることのできる年金です。
ざっくりとした説明になりますが、老齢年金と同じ月額以上の額が受給できます。
詳しくは日本年金機構のホームページをご覧ください。
遺族基礎年金
被保険者が死亡したときに「子のある配偶者」または「子」が受け取ることのできる年金です。
ざっくりとした説明になりますが、老齢年金と同じ月額以上の額が受給できます。
詳しくは日本年金機構のホームページをご覧ください。
国民年金保険まとめ
みなさんが想像する老齢年金の他にもいろいろあることを説明しました!
もちろん、死亡や怪我はしないに越したことはないですが、いざというときに頼りになりますね。
同じ内容の保険を民間で契約するのと比べてもかなりお得になっています。
さらに、フリーランスはいつまで稼げるかわかりません。
老後の一人当たりの生活費は月15万円と言われています。
国民年金さえ払っておけば生活費の1/3をカバーできると思うと心強いですね!
少子高齢化にともない、おそらく掛け金は増額傾向・支払い額は減少傾向だと思いますが、それでも年金は老後の生活の基盤になるでしょう!
まとめ
今回はフリーランスミュージシャンが周りにも相談しにくい社会保険についてまとめました。
詳しく書くと細かくなりすぎてとっかかりにくくなってしまうと思ったので、不足している情報もあると思います。
フリーランスになって初めて納付書が送られてきたような人にとって、理解するはじめの一歩になったら嬉しいです!