ミュージシャンは稼げない?リスクは?生活スタイルは?
こんにちは!
サックスプレイヤーのみーです!
夫婦共にフリーランスミュージシャンをしています。
音楽だけで生計を立てて7年目になります。(今は育児のため演奏の仕事は休んでいます。)
サポートミュージシャンを中心にしつつレッスンや自分のライブをしています。
ミュージシャンってどうやって稼ぐんだろう?
ミュージシャンってどうやったらなれるんだろう?
ミュージシャンになりたいけど不安じゃありませんか?
この記事を書くにあたりいろいろなブログを読んでみました。
すると、わたしが体験してきた内容と大きくかけ離れていてショックを受けました。
わたしが知ってる世界と違う…!
サポートミュージシャンは不安定でリスクもあるけど、楽しいし何より夢がある職業です。
この記事を通して知ってもらいたいです!
それではどうぞー!
ミュージシャンは稼げない?
大丈夫です。
稼げます、暮らせます!
実際、わたしは暮らしているし夫婦そろってミュージシャンをしています。
都内にスタジオ付きのマンションや一軒家を持っている人もいるし結婚をしてたり子供もいる人もいます。
もちろんミュージシャンになりたいと思った全員が稼げるというわけではありません。
なりたい人も多いし、どんどん上手な人が出てくるし、失敗したら次から呼ばれなくなることもあるし、厳しい世界であるのは間違いないです!
しかし、ネットで検索すると出てくる記事に書いてある「稼げない」「食えない」というのには意義を唱えます!
大変だけど夢のある世界だよ!
そもそもミュージシャンとは?
ミュージシャンとは音楽を作ったり演奏したりする人のことです。
特に必要な資格や学歴はありません。
「わたしはミュージシャンです!」といえば誰でもミュージシャンです。
プロもアマも、それでお金をもらっていてももらっていなくても関係ありません。
音楽で稼いでいなくても素晴らしい演奏をするミュージシャンは世の中にたくさんいます!
でも、このページに辿り着いたは人はそういうことが聞きたいんじゃないですよね?笑
ミュージシャンとして稼いで生活したいという人のために書いていきます!
ミュージシャンとして稼ぐには?
演奏をする、作曲をする、作詞をする、指導(レッスン)をするなどの他に、最近ではファンを獲得してYouTubeやTikTokなどのSNSやオンラインサロン、17ライブやポコチャなどのライバーによる活動で稼ぐという人も増えてきました。
「何万人に認知されるより100人のコアファンがいれば暮らしていける」なんて言われることもあります。時代は変わりますね〜!
わたしの場合
具体的な例があるとわかりやすいと思うのでわたし自身を例にしたいと思います!
わたしはサポートミュージシャンに憧れてミュージシャンになりました。
アーティストに帯同してツアーに参加したりレコーディングをしたりするのが夢でした。
しかし、演奏だけでは収入に振れ幅がありすぎます。
わたしの性格では演奏の仕事だけで生活するのは精神的に不安定になり演奏にも悪い影響が出ると思い、演奏と同時に指導(レッスン)の仕事もしています。
レッスンでは最低限の生活ができるだけの収入を得て、演奏の仕事はやりたいことだけやっています!
人それぞれだね!
ちなみにわたしの夫は演奏だけで稼いでいます。
すごい精神力だと思う!尊敬!
ミュージシャン特有のリスクとフリーランスのリスク
どんな業種でも会社員とフリーランスではリスクが違います。
例えばデザイナーやシステムエンジニアという職種では会社員でもフリーランスでも働くことができますよね?
しかし、ミュージシャンという職種で会社員という選択はほとんどありません。
ミュージシャンに限らず、日本ではまだフリーランスで働くという選択肢は少数派で国の保険も会社員であることを前提で作られていて手薄い状態です。
ミュージシャンは「稼げない」「食えない」と言われる一つの要因はこういった背景もあるでしょう。
そこでミュージシャンであるリスクとフリーランスであるリスクを分けて考えてみましょう!
フリーランスのリスク
- 厚生年金に入れない
- 雇用保険に入れない
- 収入が保障されない
- 収入に限界がある
- 倒産リスクがある
- 嫌な仕事もしなければならない
- 移動転勤などがある
こうやってみてみると会社員にもリスクがあることがわかります。
さらに最近ではトヨタ自動車の豊田章男社長が「終身雇用は守れない」と言及したのも話題になりましたね!
これからはどんどん会社員でも安泰と言えなくなってくる可能性があります。
ミュージシャン特有のリスク
それではミュージシャン特有のリスクを考えてみましょう!
- なりたい人が多いのに対して仕事の数が少ない
- 頑張っていてもチャンスが巡ってくるとは限らない
- 一度失敗すると次から呼ばれなくなることがある
いろいろ考えたのですが、これらもミュージシャン以外のフリーランスと変わらないような気がします。
違うのはその度合いの差でしょうか?
コロナ禍を経験した上で感じたミュージシャン特有のリスク
新型コロナウイルスが流行したくさんのライブやコンサートが中止になりました。
また、感染症対策ガイドラインにのっとってライブを行なっても一部の人からクレームを受けることもありました。
エンターテイメントという側面上、クレームを無視し続けてライブを強行するわけにはいきません。
また、アーティスト本人もお客さんが感染症にビクビクしながら楽しめないライブをするのは望んでいません。
いろいろな研究や実験をもとに今ではある程度活動できるようになってきていますが、わたしはコロナ禍を通じてエンターティンメントの脆さを知りました。
音楽は衣食住と共に必要なことだと思っています!
しかし、衣食住が整っているからこそ楽しめるものなのかもしれませんね。
ミュージシャン活動を楽しく続けるコツ
ミュージシャンを目指す上でリスクがあるということを理解するのとしないのでは全然違います。
1人1人リスク許容度はそれぞれです。
- 会社員の副業として活動する
- バイトで生活費を賄いながら活動する
- 学生のうちから活動をし始める
など、自分に合った形でリスクヘッジをしながら取り組むのが楽しくミュージシャンを続けるコツです!
自分のリスク許容度の範囲でやらないと精神的にキツくなっちゃって楽しめないよ!
もちろん、リスクを受け入れて「音楽しかやらないんだー!」っていう人がいてもいいと思うしそうやって背水の陣を敷くことで成功している人もいます!
一般的にフリーランスの働き方をするときはリスクを考えてやってることが多いけど、ミュージシャンとなると盲目になりがちな人が多い気がしてるよ!
また、コロナ禍を経験して一本足で立つことの不安定さを感じました。
- 演奏だけではなくて作曲もする
- ステージ・スタジオ演奏だけじゃなくてレッスンもする
- スタジオ仕事だけじゃなくてファンを増やしてSNSを活用したアーティスト活動もする。
このようにいくつかの柱を持つことが好きな音楽をやりながらミュージシャン活動をするコツなのかなと思います。
それだけでなく、わたしの知り合いの中には
- 漁師兼ミュージシャン
- 農家兼ミュージシャン
- 投資家兼ミュージシャン
- ピラティスインストラクター兼ミュージシャン
という人もいます。
それらの人に共通するのはどっちの仕事もプロだということ。
熱量が50:50分散されるのではなく、100:100のままエネルギーにあふれた人生を送っています。
こういう人を見て「中途半端だ!」と揶揄してくる人もいますが気にしないことです!
自分の人生は自分のために生きればいいんです。
周りの人の思う理想のミュージシャン像に合わせる必要なんてありません!
仕事があるミュージシャンとそうではない人の違い
ミュージシャンで稼ぐには音楽スキルが必須です。
当たり前ですね!
素晴らしいミュージシャンはいくら大御所になっても誰よりも多く練習しています。
自分で言ってて突き刺さる言葉…
わたしも頑張らねば…!!!
しかし、高い音楽スキルがあっても仕事につながらない人もいます。
その違いは一体なんなのか考えたことありますか?
「自分は運がないからダメなんだ。」
「あいつよりいい音楽してるはずなのに世の中がおかしい!」
こんなふうに考えていませんか?
たしかに仕事をつかむには運も必要です。
売れている人と話をしても「全部自分の実力だ!!!」と言っているのを聞いたことがありません。
「あの時メンバーに入れてもらったから。自分は運が良かった。」
「自分の周りには素晴らしい音楽家がいっぱいいる。みんなのおかげで自分は成長できた。」
「あのツアーはたまたま制作に知り合いがいたんだ。縁があったんだね。」
謙遜をしているのかもしれませんが、わたしの知っているミュージシャンはこのように言っている人がほとんどです。
このことから仕事があるミュージシャンとそうではない人ではどのような違いがあるか考えてみましょう!
運がいい人
断言します!
仕事をもらうには運が必要です!
運は人が運んできます。
いくら1人で家にこもって練習していても誰も声をかけてくれません。
いくら楽器が上手くても周りに知ってもらわなければ仕事にはつながりません。
わたしはセッションに行って人と演奏したりバンドを組んでライブをしたりという方法で人と繋がりました。
今だったらSNSで発信をするという方法もあるでしょう!
また、「全部自分の実力だ!」と言っている人のところに人が集まって来ないのは簡単に想像できますよね?
周りにいる人に感謝して、多くの人と関わることで運は集まってきます!
基本的な社会的なマナーができている
ミュージシャンと聞くと破天荒なイメージがあるかもしれませんが、実際に関わってみると基本的なマナーがしっかりしている人がほとんどです。
破天荒な人が成功しているとしたら、突き抜けて音楽が素晴らしいか周りにサポートしてくれる人がいるかのどっちかだと思う!
ミュージシャンになりたい人は山のようにいます。
そんな中からわざわざマナーがなっていない人に仕事を振る必要はないですよね?
音楽で稼ぐことを目標にしないのであれば全く問題ありませんが
音楽で稼ぐ=音楽でビジネスをする
ということです。
ビジネスライクな演奏をしなきゃいけないと言っているわけではありません。
あいさつをする、メールの返信を早くする、遅刻をしない
など、ビジネスマンとしての最低限のマナーは気をつけましょう。
見た目を清潔に保つとかもだね!特に人前に出る職業だから気をつけたいところだね!
稼ぎやすいジャンルである
これは難しい問題だと思います。
需要と供給があってはじめて仕事になります。
自分はジャズしか吹きたくない!
泥臭いファンクだけが好きなんだ!
ミュージシャンとしてはこういう人たちは大好きだし尊敬します!
しかし、ストレートアヘッドなジャズやアングラなファンクは世の中に需要が多くあるジャンルではないと思うので工夫をする必要があります。
- オンラインサロンを作ってファンクの歴史の解説動画や演奏をする
- ボカロ曲をジャズの解釈で演奏した動画をYouTubeにあげる
100人のコアファンがいれば生活できると言われていたりもするので上記のようなやり方もあるとは思います。
あくまでアイディアの一つとして書きましたが、わたし自身がやったわけではないのでご了承ください。
ポップスやボカロは今なら仕事につながると思いますが、これも時代の流れであっという間に変化していくでしょう。
サポートミュージシャンの年収は?
ミュージシャンと言ってもアーティスト活動をしている人もいればジャズミュージシャンのように主にライブハウスで演奏をしている人もいます。
ここではサポートミュージシャンと呼ばれる、アーティストのツアーに帯同したりスタジオレコーディングに参加するようなミュージシャンについてお話しします。
ライブの収入
ホール、ライブハウス、ドーム、アリーナなどの規模やアーティストツアーなのかイベントなのかなどの条件が変われば料金も変わってきますが、最低1本3万円〜10万円くらいだと思います。
大御所で10万円を超えてるとウワサで聞いたこともあるよ!
ライブのためのリハーサルはライブの1日分のギャラの半分のことが多いです。
レコーディングの収入
1曲あたり1時間単価8,000円〜15,000円くらいで2時間拘束からと考えることが多いです。
昔はこの単価のことを「スタジオ・ランク」と言って1時間あたりの単価が明確に決まっていたようなんですが、同世代ではあまりそういう話を聞いたことがありません。
今でもあるところにはある考え方みたいです!
単価8,000円→16,000円
単価15,000円→30,000円
ダビング(ハーモニーなどの別トラックの録音をすること)をする場合は1.5倍〜2倍の料金設定のことが多いです。
この人に絶対頼みたい!と名指しで来るときはもっと高くもらえることもあるよ!
収入のまとめ
例えば30本のツアー(リハーサルは10回)で単価が70,000円だったら、
本番70,000円×30=2,100,000円
リハーサル代35,000円×10=350,000円
合計24,500,000円になります。
それが年に2アーティストあれば490万円です!
その間にレコーディングの仕事があったり、レッスンをしたり…
だんだん年収がわかるようになってきますね!
演奏での収入のみを取り上げましたが、このほかにもテレビの仕事や講演会に呼ばれたり雑誌の連載をしたりアレンジをしたり作曲をしたりする人もいます。
時には思いもよらないオファーをもらうこともあります。
イレギュラーなことが多いのもミュージシャンの仕事かもしれません。
やりがい搾取をされないように
この記事は「ライブ1本1万円〜5万円程度でしょう」「ミュージシャンの年収は残念ながらサラリーマンの年収以下」「収入よりもやりがい」と書いてあるブログを発見し書くことに決めました。
人によると思うけどそんなことないですよ!
まず会社員であるサラリーマンと個人事業主であるミュージシャンの年収を経費計算を無視して比べること自体に無理があると思います。
結局ミュージシャンが欲しいものってほとんどが音楽関係のものなんだよね!笑
経費のことは少し難しいのでまた記事書きますね!
「まだ大きいステージに出たことないでしょう?出させてあげるよ!(無料だけどね)」
「まだ若いんだからこんなにたくさんお金もらっちゃダメだよ!」
いろいろと言われて安い値段で仕事をさせようとする人がいます。
しかし、そういう仕事を引き受けていると業界全体の料金水準を下げることになります。
最終的には自分で自分の首を絞めることになりかねません。
バイトして稼げるような値段で演奏の仕事を引き受けるのは絶対にやめてください。
ギャラをさげるのは簡単、あげるのは本当に難しい!
ミュージシャンを大切にしてる現場は必ず納得できるギャラを提示してくれます。
「この規模でこの値段はミュージシャンを大切にしていない。」と感じたら引き受けないことです。
その仕事をしても自分の実績になりません。
逆にいつももらっている金額より多く提示された時には自信を持って引き受けましょう!笑
一度その値段で引き受けたらそれが実績になります。
次から「普段いくらでやってますか?」と聞かれた時に実績があれば自信を持って答えられるようになりますよ!
実力以上のギャラを提示されたと感じた時はその期待に応えられるのか不安になると思うけどもらっておきましょう!
取引先はあなたにそれだけの価値を見出してくれているんです。それを断るのは逆に失礼です!
不安な気持ちはそのままにせずに、その分いい演奏をしなければいけない責任があると思って頑張って練習して上手くなろう!
上手くなるチャンスをもらえたんだと思って死ぬ気で頑張ろう!
でも、ミュージシャン同士で企画するライブの時は交通費だけでもやることもあるよ!
楽しいからね!笑
ミュージシャンの生活は?
リハーサルで深夜まで、次の日は別の現場のライブで始発の新幹線で地方へ移動。
朝からリハーサルをやって、そのままレコーディングに移動。
なんてこともあり得ます。
スケジュールは自分で管理することになるのですが、なんとかして多くの仕事をできるように調整すると人間の生活としてはかなり無理が出てくることもあります。
最近は宅録と言って自宅にあるスタジオでレコーディングして納品することもあるのですが「いつでもレコーディングできるから」と思って引き受けたらめちゃくちゃきついスケジュールになってしまうこともあります。
体力的には厳しい仕事だと思います。
スケジュールの関係でアルト・テナー・ソプラノ・フルートを持って電車移動…という無理なことをやってたらぎっくり腰になったよ。筋トレ・マッサージは必須!笑
まとめ:ミュージシャンは楽しいよ!
いろいろあるけどミュージシャンは楽しいよ!
でも、大変なこともたくさんあります!
大変なこともひっくるめて「それでも音楽で稼ぎたい!」と思えた人にはあきらめて欲しくないのでお金のことも割と詳しく書いたつもりです。
参考になったら嬉しいです!
少なくとも本気で頑張ったらフリーランスとしての知識やマナーが身に付きます。
その上、音楽の知識が身に付いたら人生楽しいです!
SNSの発展によって音楽で稼ぐ方法は減っているし増えています。
どんどん変化する社会についていきましょう!
わたしは事務的なことが(たぶん)得意
わたしはそれなりの仕事を経験してきています。
(興味がある方はプロフィールを読んでください。)
https://life-of-music.com/profile/しかし、演奏技術や音楽の知識が周りよりも秀でているかというとそういうわけではありません。
まだまだ練習しなきゃいけないし勉強しなきゃいけないと思っています。
一生やり続けないといけないことです。
ただ、わたしは一般的なミュージシャンより事務的なことをするのが得意みたいです。
あいさつをする、メールの返信はなるべく早くわかりやすく、遅刻はしない。
こんな単純なことですが、しっかり守っていれば他のプレイヤーよりも好印象になることは間違いありません。
今は子育てメインの生活で全然楽器に触れていませんので、世間から見ると「ミュージシャン」とは呼べない生活をしていると思います。
この楽器に触れられない時間を使って事務的な面からミュージシャンを助けられたらと思いブログを書きはじめました!
ミュージシャンは毎日楽しいし夢がある世界です。
このブログではレッスンで教えてもらえない事務的なことを中心に発信しています。
演奏や練習については素晴らしいプレイヤーや指導者が世の中にたくさんいますので、そちらで学んでください!笑
もし興味を持ってくれたらTwitterもやっているのでフォローお願いします!
一緒にミュージシャン生活を楽しみましょう〜!
おしまいっ!
ミュージシャンが買う楽器などの機材は経費にすることができます。買いたいものに使えるお金を考えると所得以上に使えるお金があります。