CD制作の用語まとめ|マスタリング?プレス?ディストリビューション?ISRC? JASRAC?著作権?原盤権?
こんにちはー!
フリーランスミュージシャンの管理人みーです!
夫婦ともにフリーランスミュージシャンをしています。
今回は自主レーベルでCDを作って流通させよう!シリーズです。
わたし自身がユニットでCDを作ろうと思った時に
「何がわからないのかわからない」
「人に聞いても用語が分からないから理解ができない」
「ニホンゴデハナシテクダサイ…」
ということがありました。(笑)
こんなCD制作ド素人でも一つづつ丁寧に調べていけば、全国流通が可能です!
タワレコやHMVで自分のCDがBGMで流れていたり、試聴機に入っていたのを見た時は興奮しましたよ^^
用語をそのまま説明するのはググってもらえれば大丈夫(笑)だと思うので、実際に自分が自主レーベルでCDを作った際に困ったエピソードやわかりにくかったことを中心にまとめたいと思います!
今日は用語辞典として聞いたことあるけどよくわからない単語をまとめます!
音源を作る編
ダビング
レコーディングはいうまでもなくレコーディングですよね!
しかし、プロデューサーに「バンドのレコーディングは○日でフロントは△日にダビングね!」と言われて
ダビング…??
ってなりました。(笑)(それだけ素人でしたw)
CDやDVDなどの音源や映像を複製することをダビングというと思っていたのですが、CDを作る時には音源にソロやメロディーを後から重ねてレコーディングすることを言います。
ミックス
各トラックにレコーディングされた音源を音色や音量のバランスを整えて一つの音源にすることです。
スタジオレコーディングでは全ての楽器を一つのブースで演奏するのではなく、それぞれ別に録っているものを一つの音源にまとめています。
また、ホーンセクション、ストリングス、コーラスは別の日時に録って後から重ねていることが多いです。
マスタリング
調べると、「音質・音圧調整を行うこと」となっていますが仕事は専門的で実際は具体的にどんなことが行われているのかわたしにはわかりません。
しかし、仕上がった音源はマスタリング次第で音が変わります!
- 曲間の秒数や曲と曲の音量バランスがアルバム全体を通して聴いた時に自然になるように調整。
- JANコードとISRC番号の書き込み。
なども行います。(JANコードとISRC番号については後述します。)
今はAIでマスタリングということもできます。コストを抑えようと思えばそちらを利用するのもアリだと思いますが、マスタリングによって本当に音が変わりますので余裕がある人はぜひ実感してもらいたいです!
CDを作る編
プレス
原盤(スタンパーと呼ばれる金型)を作製し、それを元にして大量生産を行なう製造方法です。
CD-RでコピーしてもCDを作ることはできますが、プレスCDでないと全国流通させることはできません。
プレスは物理的に溝を作ってデータを保存するため劣化が少なくなります。
ケースの種類
配信ではなくCDを作るとなるとケースの種類にもこだわれます。
ジュエルケース
一般によく見るタイプのCDケースです。(宝石箱じゃありません。←)
かさばったり、ケースが割れやすいというデメリットがありますが、ジャケットをブックレットにすることにより、たくさんの写真や情報を入れることができます。
配信で聴かれることの多い最近の音楽事情ですが、CDを買ってくれる人はアーティストの音楽以外の部分も知りたいと思ってくれている人が多いと感じます。
ですので、情報をたくさん入れられるジュエルケースは人気があります。
また、普及している分、低価格で製作することが可能です。
お客さんからは1番人気でした!
紙ジャケ
ケースが薄くなるので保管がしやすいです。その分、店頭に並べられた時に背表紙に当たる部分がないので目立たないというデメリットがあります。
また、ジュエルケースは割れてしまってもケースだけ買って入れ直せば良いですが、紙ジャケは角が潰れたりすると直せません。
また、印刷面が限られているのもデメリットです。(裏表2Pから3つ折りの6Pまでが主流だと思います。)
その分、デザイン料も安価に抑えられますし制作料も安価ですが、お客さん目線で見ると「安く仕上げた」ように見えてしまうそうです。
わたし的には昔のジャズレーベルみたいでかっこいいなって思います!好みですね!
デジパック
厚紙のジャケットにプラスチックトレーを貼りつけてあるケースです。
新しいタイプのパッケージですので色々な仕様があります。
プレス業者によって紙質に限りがあったり、4つ折り6つ折りなど仕様が異なりますのでプレス業者を選ぶ段階から注意が必要です。
かっこよくて人気がありますが、料金が高いのがデメリットです。
大量に作ればコストのデメリットを抑えられるので、いつか仕様にこだわってデジパックで作れるようになれたらいいな〜!
バルク
プレスCDのみの納品になります。
安価に抑えるためにジャケット部分は自分で作成したり、本にCDをつけたりとジャケットによっぽどこだわりを持って制作する場合に使われます。
流通させようと思うと他にも色々な制約が出てくるので、それ以外の場合はおすすめしません。
安いからといって間違えて注文しないように気をつけましょう!
デザイン印刷面
ジュエルケースの場合の印刷面をまとめました!
ジャケット(ブックレット)
CDの顔になる部分です。
2Pだと裏と表のみになりますが、ブックレットにすることによって写真集のようにしたり、歌詞カードにすることもできます。
オビ
CDをお店に陳列したときに1番見える面になるので、CDには印刷しないけど店頭で手に取ってもらえるような工夫をするといいと思います。
大体のプレス会社でオビまでセットになっていますが、デザイン的にはなくても良いのでは?と思うこともあります。(というわたしですが、過去4作品全部オビ付きですw)
バックインレイ
CDの裏面です。忘れがちですがCDの盤面の下になる部分のデザインもこれに含まれます。
盤面
盤面はフルカラーか単色カラーかで料金が結構変わってきます。
デザイン重視かコスト重視かで判断したいですね。
ホワイト版の有無で印刷が変わります。キラキラした盤面が見えないように普通に印刷したい場合はホワイト版ありを選びます。
CDを開いた時の感動はフルカラーの方が大きいです!※個人の感想です。(笑)
楽曲の権利編
ISRC
ISRCとは「International Standard Recording Code」の略称で、日本語で「国際標準レコーディングコード」といいます。
レコーディング(オーディオレコーディング及び音楽ビデオレコーディング)の識別に利用される唯一の国際標準コードです。ここで言う「レコーディング」とは「収録及び編集の作業によって得られた成果」をさし、バージョン違い(リミックス)やタイム違いをはじめとする「視聴覚的に識別できるもの」は全て異なるレコーディングとして扱われます。
1つのレコーディングは1つのISRCによって識別されます。異なる複数のレコーディングに同一のISRCを付けたり、単一のレコーディングに複数のISRCを付けたりすることはできません。また、一度付番したISRCを変更することはできません。
https://isrc.jmd.ne.jp/about/
レコーディングした曲に対して付番される国際規格の番号です。CDにはマスタリング時に情報を書き込みます。
本でいうISBNと同じです!
同じ楽曲でも演奏メンバーやアレンジなど、録音そのものが違えば違うISRCが付番されます。
ISRCがあることで、その録音物がテレビやラジオで使われたときに二次使用料を受け取ることができます。
また、配信やストリーミングをする場合はISRCを付番しなければなりません。
配信サービスによっては配信の際にISRCを付番してくれるところもあります。
ISRC利用のメリットはこの2つぐらいですので、配信もせず放送使用料も気にしていないという場合はISRCは必要ないです。
CDを流通させるだけなら番号を取らなくても大丈夫ですが、金額もそんなにかからないので(一曲あたり数百円)とっておいたほうがいいのではないかと個人的には思います。
著作権管理事業者
JASRAC
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の英語表記は、「Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers」です。 表記にありますようにJASRACは、国内の作詞者(Author)、作曲者(Composer)、音楽出版者(Publisher)などの権利者から著作権の管理委託を受けるとともに、海外の著作権管理団体とお互いのレパートリーを管理し合う契約を結んでいます。
JASRACは、膨大な数の管理楽曲をデータベース化し、演奏、放送、録音、ネット配信などさまざまな形で利用される音楽について、利用者の方が簡単な手続きと適正な料金で著作権の手続きができる窓口となっています。そして、お支払いいただいた使用料は、作詞者・作曲者・音楽出版者など権利を委託された方に定期的に分配しています。東京にある本部のほか、全国の主要都市に支部を置いて、主にコンサートやカラオケなどの演奏について世界にも類をみないきめの細かな管理を行っています。
https://www.jasrac.or.jp
よくメディアでも取り上げられるのでご存知の方も多いのではないでしょうか?
色々なことを言われているのであまりいいイメージを持たれない方も多いかもしれませんが、作曲家・作詞家が自分で管理することの難しい著作権を管理してくれています。
実際に自分が作った曲をリリースしたことのある人にとってはとてもありがたい存在です。
NexTone
NexToneでは、権利者からお預かりした著作物を管理することだけにとどまらず、著作物や音楽コンテンツの「管理」と「利用促進」を融合させたサービスを複合的に展開しています。
https://www.nex-tone.co.jp
それまでJASRACが独占事業だったものを問題視し2016年にavexが立ち上げた著作権管理事業者です。
ストリーミング再生の発展に沿い定額制から再生回数によって使用料を定めるようにしたりと、著作権管理により透明性を持たせることにつながると高く評価されています。
著作権
知的財産権の一。文芸・学術・美術・音楽の範囲に属する著作物をその著作者が独占的に支配して利益を受ける権利。著作物の複製・上演・演奏・放送・口述・上映・翻訳などの権利を含む。著作物が創作された時に発生し、原則として著作者の死後70年までを権利の保護期間とする。
https://www.weblio.jp/content/著作権
ここで知っておいてほしいのは、著作権はどこかに権利を登録してから発生するのではなく、創作された時点で発生しているということです。慌てて著作権管理事業者に登録しなくてもその権利が消滅することはありません。
ですので、全てオリジナル楽曲でCD制作をする際にはJASRAC等に申請をしなくても法律上問題はありません。ただしその楽曲で著作権をしっかり行使し権利料を回収するのはとても難しいと思います。
カバー曲を収録する場合は色々な権利が関わってくるので大変です!
原盤権
レコード(CD等の)原盤製作者が保有する原盤に関する権利をさす。原盤製作者は原盤制作費を原盤権の保有率に応じて負担し、その保有率に応じて原盤印税を受領する。著作権法では「レコード製作者の権利」と定義されている。
https://www.weblio.jp/content/原盤権
著作権がメロディーなどのその曲だとわかるものについての権利だとすると、原盤権はある曲を録音して作品になった時点での権利になります。
出版社
作曲家や作詞家は音楽出版社と契約して、作品がCDやテレビで使われるように売り込みをしてもらいます。
この契約で、音楽出版社は作家から著作権をゆずりうけ著作権者となります。
音楽出版社は著作権を譲りうける代わりに作家のつくった曲が色々なところで使われるようにレコード会社、テレビ局などへ売り込みをしてくれます。
そして、音楽が使われたときに発生した使用料を作家へ分配してくれます。
その分配率は契約の内容によって変わります。
また、音楽出版社はテレビ・ラジオ局音楽樹墓所などと繋がりのある出版社が多いため、その系列で流してくれることも多いです!
わたしが作ったとあるアルバムは日音というTBS系列の音楽出版社と契約しています!インスト楽曲なのでたまにテレビのBGMで流れていることがあるみたいです。
流通編
ディストリビューション/ディストリビューター
「流通」を英語でディストリビューションといいます。
知らないだけでとっても単純なことでした(笑)
また、ディストリビューターは流通させる人、流通業者のことを言います。
本当に単純ですが、ネットで検索する時に検索ワードがわからずに困りました。(笑)
レーベル業務もやっていたり、プレス業務もやっていたりと流通に限らずCD販売に関わる色々な事業をやっている業者が多いです。
わたしはVIVID SOUNDを利用して全国流通しています!
JANコード
日本のバーコードのことです。バーコードがついていないと全国流通できません。
バーコードの発行は調べると難しいことが書いてあります。商工会議所などで発行することができますが、CDのために1・2個バーコードを発行するだけでしたら、前述したディストリビューターで数百円で発行できることが多いのでそちらの利用をおすすめします。
まとめ
よく聞く用語をまとめてみました!
ちょっとした説明もつけましたが、個別の記事で詳しく説明をしていく予定です。
ミュージシャンにとって演奏することは専門です。しかし、CD制作についてはやってみるまで素人ですのでわからないことがあって当然です!
専門家や先輩、師匠を頼って(このブログも頼ってw)やってみましょう!
ご質問も受け付けていますので、問い合わせフォームよりどうぞ!
1枚作った経験は2枚目を作るときには助けになります。
CDは資産、権利も知識も資産です。最初は微々たるものですが、積み重なれば大きな不労所得になります。
ライブをするにしても、CDがあればチケットの売り上げ+αの売上になります。
ミュージシャン活動の大きな助けになると思いますので、自主レーベルでCDを作ってみましょう!